2026/8月/30
「将来速くなるためには、小さい頃から専門種目に絞った方がいいの?」
ジュニア陸上の指導では、よく出てくる疑問です。
結論から言うと、小学生のうちから1つの種目に絞る必要はありません。
むしろ成長期は、さまざまな動きを経験しながら、将来の専門種目につながる「土台」を作ることが重要です。
小学生は「専門化」より「基礎作り」
日本陸上競技連盟(JAAF)の競技者育成指針でも、6~12歳は「楽しく陸上競技の基礎をつくる」時期とされています。
走る・跳ぶ・投げるだけでなく、
- バランス
- リズム
- コーディネーション
- 加速・減速
- ジャンプ・着地
- さまざまなスポーツ動作
など、多様な運動経験を積むことが大切です。
中学生から徐々に「得意」を見つける
12~15歳頃になると、少しずつ自分の得意な能力が見えてきます。
「スピードが高い」
「持久力がある」
「跳ぶ能力が高い」
「投げる能力が高い」
などの特徴を見ながら、短距離・中長距離・跳躍・投てきなど、得意な種目群を徐々に絞っていくのが一つの考え方です。
ただし、この時期も複数種目を経験することには大きな意味があります。
高校生以降に専門性を高める
JAAFの育成指針では、15~18歳頃から「最適種目への絞り込み」を開始し、18歳以降は専門種目への専門化を進める流れが示されています。
つまり、
小学生:幅広い運動経験
↓
中学生:得意分野を見つける
↓
高校生:専門性を高める
↓
大学・社会人:専門種目を極める
というイメージです。
「今速い」と「将来強い」は違う
陸上競技のジュニア選手を対象とした研究では、U13(13歳未満)でトップレベルだった選手が、そのままシニアでもトップレベルになる割合は高くありませんでした。
つまり、
「小学生で速い=将来も速い」ではありません。
だからこそ、ジュニア期に目先の大会結果だけを追うのではなく、将来さらに成長できる身体能力や運動スキルを育てることが重要です。
大切なのは「早く絞る」ことではなく「深く伸ばせる土台を作る」こと
専門化とは、単に「100mしかやらない」「800mしか走らない」ということではありません。
将来的に専門種目を決めたとき、その種目で必要となる能力を高いレベルまで伸ばせるように、ジュニア期から土台を作っておくことが大切です。
「広く経験する」→「得意を見つける」→「徐々に専門化する」→「専門種目を極める」
この流れが、長期的な競技力向上につながります。
ジュニア期の目標は、今勝つ選手を作ることではなく、大人になってからも伸び続けられる選手を育てること。
それが、陸上競技における長期的な育成で大切な考え方です。
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